−71 隙のある人

1.19

コンビニで会計を済ませたら、次の人が言っていた。

「あの、714番っ」

 

見てみると、その人は大家さんだった。

歴史のあるお菓子屋さんの社長さんでもあるその人は、社会的地位のある人のはずなのに、家賃渡しに行った時とかもすごい愛想よくて、それも客に向ける取り繕った愛想って感じがしなくて、好きな人だ。

 

そんな大家さんのコンビニでの「あの、」を見てもっと好きになった。

なんか隙のある感じ。

どっしりしてはいるんだけど、偉そうではない。

百貨店のバイトで応対してる客とは大違い。

 

変に威厳を持とうとして、結果的にダサい大人もたくさん見てきたから、なんかすごい救われている。