+70河川敷で少年野球を見ていた

たまたま通りがかった河川敷のグラウンドで、どっちが勝ってるのかもわからない少年野球の試合を見ていた。

見たところ小学校低学年くらいで、走り方がまだバタバタしていてかわいかったのだけれど、三塁を守っていた子が、ファウルになったボールを相手チームのボールボーイに渡した時のお辞儀が妙に大人びていて面白かった。

そうか、社会性はこういうところで身につくのか。

あぁ、小学生に戻れるのなら少年野球を習いたい。

 

エラーしたセカンドにショートが駆け寄り「ドンマイドンマイ!」と声をかける。

ヘッドスライディングをしてフライを取り逃がした子に「ナイスファイトォ!」とベンチから掛け声がかかる。

僕は今過程や姿勢がそこまで評価されない世界にきてしまった。

社会や組織の歯車をどれだけ早く回せるかが評価の軸の世界。

仕事とはそういうものだ。

 

僕と同じように、ボーッとグラウンドを見つめる大人たちもまた、社会の歯車から離れた世界に想いを馳せているのかもしれない。

 

 

どちらが勝っているのかわからないままイニングの合間に切り上げて家に帰って、玄関を開けるとドラム式洗濯機が洗い終わった洗濯物を乾燥していた。

 

お金や便利さを手放してでも戻りたい過去が見えた。