−39 幸せですか
2.24
幸せですか?
宗教の勧誘じゃないです。
「幸せですか?」って聞かれて、
「はい」と答えるのって難しい。
「はい!」って自信満々に答えられてもなんか胡散臭く感じてしまうし。
そもそも幸せとはなにか。
それは、各々の中にあるのだろうけれど、僕は遠い幸せを追いかけるのをやめようと試みることで、「まぁ、ぼちぼちですかね…」くらいは言えるようになる気がしている。
キラキラした人たちに囲まれながら大手を振って歩くようなことが「幸せ」とされがちだけれど、今になって思うのはそうした幸せは果たして自分の本心からの幸せなのかということだ。
他からどう見えていようと、自分で自分を認めて、「まぁ、こんなもんか」と思いながら生きること。
それこそが自分の幸せではないか。
建築現場で一緒になったホームレスにも幸せそうな人はいたし、24歳で手取り50万稼いでいても、いつも不機嫌そうな顔をしている人を知っている。
「昨日より少しギターが上手く弾けた」と嬉しくなったり、「でもまだまだ下手くそだな」と思って憂鬱になったり、上司にちょっと褒められて仕事が楽しくなったり、めちゃくちゃ怒られて辞めたくなったり。
これから先もずっと、そういうことを繰り返していくのだろう。
大人になると、なにかそうした不安から解放されるような気がして期待してきたけれど、どうやらそうではないということにはうっすら気づいてきた。
どっしりしてるように見えるおっさんもきっと、なにかしらの不安を抱えながら生きている。
ヒロトさんも言ってるくらいなんだから。
だから、こうした日常の繰り返しから抜け出そうとするのではなく、この先もきっと「こんなもん」であるということを受け入れること。
それこそが「幸せ」だと言い聞かせながら生きていきたい。
この「言い聞かせる」ことを「大人になる」とか、「諦める」とか、否定的に語られがちだけど、それでいいんじゃないか。
「こんなもん」の日常の中に潜んでいる小さな幸せを見落としてしまわぬよう、日常を、未来ばかりではなく今を、愛していたい。