−148 旅に出なければならない
僕たちは時折、自ら作り出した不自由さにがんじがらめにされる。
今日の夜、遠い土地に発つことも、街の真ん中で大声で歌うことも、出来ないことなどなにもないはずなのに「明日の仕事」だとか、「変な奴と思われる」だとか、理由をつけて、やめてしまう。
自ら己の枠を狭めていってしまう。
遠い知らない土地を走る電車から眺めていた景色が、地元に近づくに連れて、段々と見慣れた景色に変わっていくのを感じた時、自分はなんて狭い世界で生きていたんだと、強く感じる。
「僕は自由だ」
そのことを思い出すために、時折、自分の生きる小さな世界を飛び出して旅に出なければならない。
「旅に出た方がいい」ではない、
「旅に出なければならない」
自分は特に。