-231 父の誕生日を知らない

昨日、唐突に父からSMSがきた。

 おけら。

 大丈夫?」

いつも通りの、変な改行と句読点の使い方。

父とは意識的に距離を置いてきたけど、最近そればっかりもいかないなっておもいだした。

死んだ時に後悔しそう。

父のためというより、自分のために、息子らしく振る舞うことにした。

「大丈夫!ありがとう。どしたん急に笑」

「急にか。。。
今年の夏は特に暑いから、
どうしてるかなと思って。
安心したよ。頑張って。」

都合のいい時ばっかり親ヅラしてんじゃねぇよ。と、今までだったら思ってたけど、最近はそうばかりも思わなくなった。

親になりきれてはなくても、部分的に本気で親であろうとしてるところはあるのかなとか考える。

妻子に出ていかれてひとり、職場と家を往復するのみの父は何を希望に生きてるんだろう。

しんどくならない範囲で希望になってあげようか。

 

それにしても唐突な連絡だったな、、、

今思い出した。父の誕生日は8月だった気がする。

もしかして、誕生日匂わせSMSだったのか。

急いでFacebookで父の誕生日を調べた。

載っていない。

ならば、ネット検索。何かしらの情報は引っかかるだろう。

載っていない。

「ネットで調べりゃなんとかなると思うなよ。」って言われた気がした。

 

僕は父の誕生日を知らない。母、姉の誕生日もいつも忘れる。

僕は薄情だとか攻めてしまうことがある。

でも忘れてしまうからしょうがない。