-232 兵

兵とは、どこまでいってもひとのために戦うもの。

自分のために戦うことはない。

銃弾飛び交う中、前へ進めと言われても、仲間を殺した敵を目の前にして武器を置けと言われても、それが国の最善を考えて下された命令だと信じてただ従うのみ。

 

勝つことだけを考えて戦っていたのに、降伏が国にとっての最善と判断されると、武器を置けと言われる。

それでも自分の気持ちを噛み殺して、武器を置かなければならない。

兵とはそういうもの。

 

日本の一番長い日を見てそう思った。