-239 mさんと飲みに行った

バイト終わり、喫煙所でタバコ吸ってたら、気づかぬ間に居たmさんに声をかけられた。

「ビール一杯飲みたいから付き合ってや。」

mさんはバイト先の先輩。

先輩とは言っても、70超えてる大先輩。

でも、偉そうな感じとか一切なくて大好き。

人見知りで、結構面識ある人とでも2人きりになると落ち着かなくなる僕も、mさんと2人で飲みにいく時は、なんのストレスもなく自然体でいられる。

 

mさんは途中、二度ほど「タバコ吸ってくるわ」と言って店を出た。

タバコ吸うにしてはえらく短いなぁとか思ったけど、気にしないでいたら、mさんが言った。

「タバコ吸うって言って、吐きにいってるねん。胃から上がってくるんよ。まぁ、吐いたらまた食べれるようになるし、楽しいからええかなって。倒れるようならあかんけども。」

mさんは、何年か前に肝臓の病気をして以来、あまり食べれなくなった。

「昔はこんなん(太いのジェスチャー)やってんで」と笑うmさん。

前にも飲み食いするのが大好きだったという話を聞いた。

吐くことが体に良いことじゃないのはわかっていたけれど、止める気にはなれなかった。

本人が楽しくできるのが1番。

「体に気をつけて」なんて、エゴでしかない。

別れ際に「楽しさと、体の調子のバランスだけ気をつけてくださいね。」とだけ言っておいた。

 

「職人仕事ができんくなって、団体で仕事するようになったのが嬉しかった。」って言ってた。

生活は前よりは苦しくなったのかもしれないけど、今の方が幸せそうに見えた。

 

なんか、あぁいう歳の取り方したいなぁって思う。

年齢重ねての、全てを包み込むような優しい雰囲気があって、それでいて20代の自分とも話を合わせられて。気を遣わせない。